木工職人の話

板の木表と木裏について

今回は、木の特徴について少々ご紹介させていただきます。

木表と木裏の違い

木には、表と裏があるのはご存知でしょうか?

一本の木から数枚の板を製材しますが、この製材した板には、一枚一枚に裏と表が出来ます。

木の中心を始点として、木の中心から遠くの方を木表、木の中心に近い方を木裏と言います。

この写真では、上側が表(木表)、下側が裏(木裏)になります。
丸太を製材して、板にしたときの図です。

柾目と板目の違い

製材した板のうち、木の中心を通る板は、木の表面、裏面に平行に年輪の紋様の木目がでます。

この木目を『柾目(まさめ)』と言います。

それ以外の所には山型の紋様が現れます。これを『板目(いため)』と言います。

板はこの二種類の紋様に分けられます。

平行に紋様が出るのが柾目、山の様な曲線が出るのが板目です。

木表と木裏が反る方向

板目の板には、裏表があり紋様の山側が『木表』になり、その反対側が『木裏』になります。

板目の板は木表の両側がそり上がる癖があります。

板目の板の木表側を上にして長い時間おくと凹の形に両端が反るのです。

逆に木裏を上にしておけば凸の形になり、真ん中が盛り上がってきます。

木材が反る原因とは?

何故そうなるかと言えば、外側の白い部分は、中の赤い部分に比べて水分含有量が多く柔らかだからです。

そのため板にして乾燥が進むと、内側の赤い部分の方はそれほど縮まないのに、外側の方は大きく縮むため、板が反るのです。

下の写真では、木裏が上になっているので中心部分が凸になり外側が下がってますね。

上に金属の定規をおくと、木裏を上においた状態では乾燥が進み、木の中心部分が盛り上がっているのが分かります。

この木表と木裏の性質は、建物の部材や家具の部材を作るときに、非常に重要になって来ます。

今回は木裏と木表の事をご紹介しました。木のことを、少しでも知って頂いたら幸いです。

  • この記事を書いた人

かなもく

1961年東京都町田市で生まれ育ちました。 子供のころはまだ町田にも田んぼや畑が沢山あり、自然にあふれた町でした。 泥まみれで良く遊ぶ元気な子供でしたね。 この伊豆に来たのは1994年(平成6年)です。1996年(平成8年)に近所にある家具工房に務める様になり、そこで14年間近く務めました。 そして2010年に独立、今に至っています。

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